音楽と形式と

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【ZARD】Seasonという名曲

さて皆さんは好きなアーティストを勧める際に自分のお気に入りを紹介しますか?

私のブログを読んでいただく方は意外とそうではない方が多いのではないか?と思っています。

例えば私の好きな日本酒。そう、私のストライクゾーンは辛口かつ芳醇なのですが*1、これを今日日本酒デビューする友にはすすめないだろう。
自分の好きなもの=初心者向けでは必ずしもないからだ。

そういう意味では私はZARDをすすめるなら『TODAY IS ANOTHER DAY』あたりを紹介するだろう。
だが、二言目にはこう言うのだ。
「僕は『Season』が好きだけど」
オタクの悪い癖だ。やっぱり自分の好きな作品を上げずにはいられない。

そんな『Season』はなぜかこういう季節の変わり目に聴きたくなる名曲だ。
私はZARD、もとい坂井泉水さんと栗林誠一郎氏の組み合わせが大好きで、9割以上をクラシック音楽が占める私のウォークマンでも、栗林氏作曲のリストがあるくらいだ。

ZARDと言えば、やはり織田哲郎氏のイメージが強いだろう。
わかる、わかるよ。織田哲郎最強だよね。

例えるならA面の織田哲郎、B面の栗林誠一郎なのだ。
織田哲郎氏の曲は非常にキャッチーさが何よりの魅力だが、それに対し栗林誠一郎はどこか異国情緒があるというか、ちょっと着崩したおしゃれさがあるのが特徴だ。

『Season』はとくにその”おしゃれ”さと自ら作詞を務める坂井さんの表現力がうまくマッチした名曲でもある。
個人的にはこの曲は歌詞と曲の温度感が絶妙にミスマッチで、それが良さだと思っている。歌詞をその通り感情込めて切なく歌うことは素人にもできるが、それでは曲にならないことをプロは知っているからプロなのだ。
この曲は何か具体的な感情を指し示すというよりは、①誰にでもそういう体験あったよねと錯覚させる栗林誠一郎氏の曲作りに、②自ら作詞によるツボを押さえながら過剰になりすぎないZARDの表現力が生み出す「雰囲気系」の名曲と言えるだろう。

さて、ここまで読んだあなたが次にすべき行動はわかりますね?
なんでもいいからZARD×織田哲郎の曲を聴いて、そのあと続けて『Season』を聴く。
そしてZARD=『負けないで』という固定観念を捨て去る。これだけだ。

 

 

願わくば、ZARDが流行っていた時代の空気を味わいたかった。


みなさんの好きなZARDの曲があればぜひ教えてください。
それでは~

 

*1:例えるなら、弥右衛門の純米辛口のような。